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「あなたこれでいいの!?」
午後のお茶会。
いつもだったらレインの淹れてくれた紅茶を飲んでレインの焼いたスコーンやクッキーやケーキをお茶請けにして囲むのに。
今カップに入っているのは自分で淹れたお茶で、いつものレインを真似して頑張った。
おいしくないのは自分でもわかっている。
それをお客さんに出すのは失礼なのもわかっているけれど、今日はブライトとアルテッサだから許してもらおう。
レインがいない今、ホスト役の自分が出すしかないのだから。
そんなことを思いながらおいしくない紅茶を飲んで味気ないクッキーを食べていたのだが。
「アルテッサ、いきなりどうした?」
「お兄様は黙ってて」
なだめようとするブライトにもかみつく始末のアルテッサにとりあえず視線を向けてみた。
はちみつみたいな綺麗な髪はふわふわで、勝ち気な猫目を縁取っている。
いつもちょっと不機嫌そうな顔をしてるけど笑った顔がすごく可愛いのも知ってるから、笑顔になってほしくて頑張ってティーセットも用意したのに。
「このままでいいわけ?」
「なにが」
「シェイドとレインよ!」
今ここにレインがいないのは月の国に行っているから。
月の国にはもちろんシェイドがいるのだけれど、それがなにかあるのだろうか。
レインは国際交流だとかなんとか言っていたような気がする。
国の仕事を理由にシェイドに会えるレインがちょっと羨しいと思ったことを思い出した。
「このままあの2人が結婚してもいいわけ!?」
「…けっこん?」
「そうよ!」
あなた、シェイドのこと好きなんでしょう?
重ねて問いかけてくるアルテッサの勢いに負けてうんと頷いてしまった。
「それをレインに取られてもいいわけ!?」
「とられる…」
いきなり出てくる言葉達にただオウム返しにつぶやくことしか出来ない。
頭が、ついていかなかった。
「アルテッサ、そんな言い方はやめるんだ」
「でも事実でしょう?」
ブライトがさっきよりも少しきつくたしなめるものの、一歩もひかず辛辣なアルテッサ。
彼女は少し言い方がきつかったり素直じゃなかったりするけれど、でも嘘はつかない。
だからきっと言ってることは本当のことで。
「…レインとシェイドが、結婚するの?」
やっと理解できたそれ。
同じ場所で生活すること。
いつか子供を生んで育てること。
ずっと一緒に生きていくこと。
それが、結婚するということ。
レインの横にいるのはシェイドで、シェイドの横にいるのはレイン。
きっと、お似合いの2人。
「っ、ちょっと!」
こっちを向いたアルテッサが慌ててハンカチを取り出す。
不思議に思って見ていたら、取り出したそのハンカチを顔に押し付けられた。
「何泣いてるのよ…」
「…え?」
言われてからやっと自覚した。
泣いて、るんだ。
そう思うとなんだか急に悲しくなってきて余計に涙が出てきた。
「…ふぇっ……アルテ、さ…」
思わず目の前のアルテッサに抱きついて泣きじゃくる。
レインの横にもシェイドの横にもいられないあたしは、どこに行けばいいの…?
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ファインの中に「ブライトの横」という選択肢はないらしいです(苦笑)。
久々の更新が恐ろしく短くてすみません…。
でもこれ以上続き書くと半端なく長くなりそうで。
各話にバラつきのあるこの話ですが短くて読みやすいとか思っていただけると…(汗)。
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