忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


クールで格好いいシェイドしか許せない方はお戻りください。


















































   
待ち合わせの時間3分前。
ファインの姿はまだない。

待ち合わせの時間から10分後。
腕時計を見てため息をつく。

待ち合わせの時間も1時間を過ぎた。
寮まで迎えに戻ろうかとも思うが、すれ違ったら…と思うと踏み切れない。

待ち合わせの時間は3時間前…でいいんだよな?
イライラと何度も腕時計を確認しては前方を確認していたら、ふいに見えた赤い髪。

「ごめーん!!」

息を切らして駆けてくるファインは手に何かを握っていて。

「レインがクッキー作ってたから待ってたら遅くなっちゃって…」

俺はレインの手作りクッキーよりも下なのか?

「あとで一緒に食べよ?」

とりあえずその笑顔に懐柔されておく。
なんてったってデートは最初が肝心。
ちょっとぐらいの遅刻でへそを曲げてるようじゃこのあとの楽しみが台無しだ。


 * * *


誰かの遅刻のおかげで昼食にはちょっと遅い時間。
まぁどこに行っても空いていていいかもしれない。
まさかそれが計算のうち…なんてことはないか、ファインに限って。

「ねー、どこに行く?」
「そうだな…」

くるくると楽しげに覗いてくる瞳。
遅刻したお詫びに今日はどこでもシェイドの行きたいトコ付き合うよ、なんて可愛いことを言った唇。
まだちょっと火照りの抜けない赤い頬。
そのすべてが可愛いと思うのは、恋人の欲目だけではないだろう。
同時進行で脳の片隅が何を食べに行こうか考える。
久しぶりに中華なんかいいかもな。

「あ!」

思った途端、隣を風が走った。
赤い風が。
数メートル先ではキラキラと目を輝かせたファインが思いっきり手を振っている。

「ここおいしそうだよ!ここにしよ!?」

一応疑問系だが既に確認を通り越してドアに手がかかっている。
しかもさっき俺に選ばせてくれるみたいなこと言わなかったか?
そこは妥協して美味しければ許そう。
中華なんかまたいつでも食べれる。
しかし。
しかしだ。

「…ここがいいのか?」
「うん!」

明らかに女の子(女性じゃなくて女の子というところをあえて強調しておく)しか入っていなさそうな、見るからにファンシーなカフェ。
木目にピンクの文字が躍る看板が、俺を見つめている。
ここに入れというのか。

「ダメ?」

急にしょぼくれた顔に、悪いことをしたわけでもないのに罪悪感が浮かぶ。
…あぁ、入るさ。
入ってやるとも!!


 * * *


やけに甘ったるい空気を味わいながらの昼食後。
ちょっとげんなりしながら町を歩く。
反対に隣のファインは至極満足そうだ。
それが救いと言えば救いだろうか。

「ぁ…」
「ん? どうした?」

ファインが止まってしまったせいで出来た一歩分の距離。
埋められなかったのは驚きのせいだ。

ファインが雑貨屋のウィンドウに惹かれて止まるなんて!

いやいやファインも女の子だ。
すぐ傍にレインという可愛いもの好きの典型がいるのだ、今まで感化されなかったほうがおかしい。
やっと彼女にも食に関する執着以外に、アクセサリーや可愛い雑貨を愛でる心を持ったのだ。
ここは彼氏として喜び奨励してやらねば。

「入ってみるか?」

とたんぱっと輝いた笑顔にうんうんと満足して頷いた。

潔いファインの性格らしく、選ぶのにそれほど時間はかからなかった。
手に持っているのは色違いのカップがふたつ。
ふたつと言うことは一個は誰かに渡すんだよな?
ちょっとここは俺以外いなくね!?
激しくなる動悸を抑えつつポーカーフェイスを貫き、さりげなくレジを離れる。

「プレゼントですか?」
「はい!」

聞こえてきた会話に確信する。
初めてのファインからのプレゼントにちょっと目頭が熱くなってきた。
と、いきなり泣きそうな声でファインの呼ぶ声が聞こえる。

「お財布忘れちゃったよー!」

さっきとは正反対の意味で泣きそうになりながら鞄から財布を取り出した。


 * * *

「楽しかったね!」

その一言ですべてが報われる帰り道。
もうすぐ寮についてしまう。
ドキドキしながら、そのときを待っていた。
ファインからのプレゼント、自分の金で買ったとかはもうこの際関係ない。
もらえることが嬉しいんだから。

「あぁ、また行こうか」

さりげなく次の約束をすることも忘れない。
笑顔で返される肯定の返事に自然と笑顔が浮かんだ。

「それじゃ、また明日ね」

一層柔らかくなった笑顔で上がるのは寮の階段で。
そこから先は女子寮で、自分は反対に行かなければならなくて。
…ちょっと待て。

「なぁ…それ」

指差したのはファインの持つ可愛らしいプリントのされた紙袋。
自分で指摘するのはかなり恥ずかしいものがあるが、欲しいものは欲しい。
ここは恥をしのんで気付かせるところだ。

「え、これ?」

数段上ったせいで少しだけ上にある顔が不思議そうな表情を浮かべる。
不思議なのはこっちのほうだ。

「プレゼント、じゃないのか?」

ここまで言わせるのか。
ぎこちなく、それでもなんとか浮かべた笑顔で問いかけた。
ぱっと浮かんだはにかむような表情にほっと安心する。
これで今夜は楽しい夢を見れそうだ。
きっと安いティーバックで淹れた紅茶だって極上の一口になるに違いない。
と思った次の瞬間、思わぬ答えが返ってきた。

「これね、レインにあげるんだぁ」

昨日私がレインのカップ落しちゃってね、欠けちゃったからそのお詫び。
ちょっと頭をかきながらのそのセリフは、どう見たって恋人のことを話すその様子と変わらないのにその口から出てきたのはレインの名前。
欠けたのはレインのものだけなのになんでわざわざおそろいを、とか。
ファインはともかくレインに渡すものに自分は金を出したのか、とか。
頭の中をいろんなことがぐるぐると回るのだが言葉にならない。

「ホントにありがと!」

にっこりと今日一番の笑顔で言われても素直に喜べない。
上機嫌で駆け上っていく後姿を、ただ呆然と見送るしかなかった。



 * * *



シェイドがこう…なんか、もうすいませ…。
うちのシェイドは基本こんなです、シェイドにのみ叩き愛が激 し、 め     (土下座)。
これでも精一杯月赤です、あはは…。

PR
AD 忍者ブログ [PR]
New